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1. 【2026年 最優先事業】歩行型トラクター(2WT)を活用した耕作サービス普及・人材育成事業

現代の課題:人力・家畜依存による低収量の悪循環

ケニアをはじめとするサブサハラアフリカの農村では、現在も人力や家畜に依存した非効率な手作業での耕運が主流です。ケニアでは、年に2回訪れる雨季(3-4月・9-10月)の適期に合わせた播種(種まき)が収穫量を左右しますが、耕運に膨大な時間を要することで最適な播種時期を逃してしまい、 慢性的な低収量と農家の低所得を招く悪循環が続いています。 一方で、農地が細分化された小規模農家が大半を占めるため、利益追求の観点から言えばディーラーや仲介団体にとってよりメリットのある大型トラクターの導入は現実的ではなく、地域の実情に適合した小型機械化手法の普及が急務となっています。

解決策:アジアで実績のある「2WT」の導入とエコシステム

私たちは、小規模農地に適した農業機械としてアジア諸国で広く普及している歩行型トラクター(Two-Wheel Tractor:2WT)に着目しました。 2026年、日本企業(有限会社アイエムジー)や、現地で機械化サービス網・修理メンテ体制を担う現地法人 Tivera Solutions Ltd. と緊密に連携し、以下の非営利プログラムを強力に推進します。

2026年の具体的な活動内容

  • ① 地域農協と連携した「意識啓発・デモンストレーション活動」 地域の主要な農協組織と連携し、1組合あたり約5日間のプログラムを巡回実施します。実際に農家の人々の目の前で2WTの機動力と耕作効率(手作業との圧倒的な差)を実演し、体験機会を提供することで、機械化への心理的ハードルを下げ、地域における耕作サービスの需要を呼び起こします。
  • ② 次世代オペレーター(操縦・メンテ技術者)の育成訓練 現地の公的な農業教育機関である Bukura Agricultural College とのパートナーシップ(2026年中にMOU締結予定)を通じて、2WTの操作・安全管理に関する正規カリキュラムの導入を進めます。 同時に、経済的理由から高等教育を受けられない地域の若者を対象に、操作・日常的な修理・メンテナンスの養成講座を無料で提供します。これにより、若者たちが単なる労働者ではなく、地域で自立して稼げる「専門技術職」としての就労・独立基盤を創出します。

💡 将来的な地域への波及効果 技術を習得した若者は、将来的にTivera Solutions Ltd.から農機のリースや割賦販売を受け、独立した「耕作サービス事業者(フランチャイジー)」として地域農家の耕作を請け負うモデルを目指します。これにより、農家は機械を所有せずとも安価に効率的な耕作サービスを利用でき、地域全体の生産性が底上げされ、若者の持続的な雇用が生まれる仕組みを定着させます。

2. 【継続事業】小規模農家の生産者基盤強化とAlphajiri Ltd.の高度化支援

現状と課題:持続可能性を支える「優良な種子」の壁

薬師川が2016年から10年間にわたり現地で取り組んできた大豆・落花生等の流通・加工事業をベースに、小規模農家の生産者基盤を引き続き支援・強化します。 農家が安定した収量と高い品質を維持するためには、純度の高い優良な種子(Seed)を定期的に更新することが不可欠です。しかし、日々の現金需要が極めて脆弱な農民にとって、たとえアルファジリとの取引により現金収入が増えようとも、優良種子に更新するという初期投資の負担が重く(穀物大豆を種子として利用する場合のコストがキロ当たり85円以下に対し、純正種子の価格はキロ当たり200-300円)、品質が劣化していく自家採種に頼らざるを得ない構造的課題がありました。

2026年の具体的な活動内容

  • 優良種子の無料配布とバリューチェーンの再整備: 当法人がこれまでの生産実績をもとに選定した、信頼性の高い農家組織に対して、市場の最新ニーズに合致した純度の高い大豆・落花生の種子を配布し、生産の土台を補強します。
  • Alphajiri Ltd.の加工・販売網を通じた農民への還元: 収穫された高品質な作物は、現地法人 Alphajiri Limited の徹底した加工・衛生管理インフラ(自社ブランドの「味噌」などへの加工)を通じてプレミアム市場へ流通させます。有名レストランや高級スーパー、さらには近隣国(タンザニア・ウガンダ等)の高品質市場へと一気通貫で繋いできた市場があるため、農村女性を中心とする現地雇用(現在30名規模)をさらに拡大し、確実な買取価格をもって農民へ利益を還元します。

3. 【検証・市場開拓事業】青果の欧州輸出に向けた市場理解と基盤整備

2026年の位置づけ:キャッシュフローの健全性と農民還元に向けた「輸出土台づくり」

2025年度、当法人はケニア国家農業研究機関(KALRO)などの指導のもと、日本から専門家を招聘して現地メンバーへのアボカド高度接ぎ木技術の研修を実施しました。その検証プロセスの中で、国内流通のみでは買取価格の変動が激しく、農家の所得向上へのインパクトが限定的であるという現実に直面しました。

そこで私たちは、最も価格差があり、高い付加価値を出せる「欧州(EU)市場への生鮮(青果)輸出」へと出口戦略の照準を合わせました。

2026年の具体的な活動内容

アボカド事業において、初期の気候適応や環境管理の未熟さから、苗の生存率・発芽率が約50%にとどまるというリアルな技術的リスクも経験しています。急いで規模を拡大するのではなく、まずはキャッシュフローの健全性を保ちながら着実に農民に還元できる体制を作るため、2026年は「輸出のための土台を徹底的に整える年」と位置づけます。

  • 欧州市場の基準・ニーズへの理解深化: 有機認証や残留農薬基準(MRL)、コールドチェーン(冷構造流通)など、欧州市場が求める厳格な品質基準・トレサビリティの仕組みを現地側で検証・理解します。
  • 将来的な高品質加工品への展開を見据えた生産管理: 生鮮青果としての輸出を実現させるプロセスを通じて、現地の生産管理体制を国際水準へと引き上げます。ここで構築した強固な生産・流通の土台を、将来的なアボカド加工品(高品質オイル等)の品質高度化へと繋げるための強固なステップとします。